
漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の人気漫画などのネタバレを発売日前の段階で転載したサイトの運営者らが逮捕されるというニュースがありました。
犯人らは漫画の早売り店から情報を入手し転載していたとのことですが今回の流出経路や権利の問題、正しいサイト運営や発信者としてのマインドについて考えてみたいと思います。
目次
漫画雑誌ネタバレサイト転載事件に見る問題と権利の考え方!
今回の事件の経緯ですが、ネタバレサイトの管理人らが漫画雑誌の内容を発売日前に入手し、話の内容や雑誌の画像を転載しサイトに載せていたというもの。
そもそもなぜ、このサイトの運営者がそうした情報を手に入れることができたのかというと「早売り店」と呼ばれる店の存在があります。
これはたとえば週刊少年ジャンプで言うと月曜日が発売日なのですが、それを発売前の週の土曜日などに売られている店があるということです。
なぜこういったことが起こるかというと、売店やスタンド店と呼ばれる小さな書店に配送を担当する取次には、小分けにする手間、地方に発送する手間を考えて、早く納品されることが多いそうで結果的に都市部の対象書店では早く配送されてしまい、早く売ってしまう書店が後を絶たないとか。
そのため、それに目をつけ雑誌を手に入れたサイト運営者らが発売前に転載するという流れですね。
この点については転載するサイトも問題なのですが、そもそも早売りをしている店のモラルについても必要になってくるところで以前からそういったことも問題視されています。
悪気はなく早く届いたということでお客さんのためにすぐ店頭に置いている店もあるようですが、中にはあえて発売日前に売り出すことを狙った店もあるようなのでそのあたりは悪気のあるなしに関わらず早売りに対する認識を変えていかないことには根本的な解決にはならないように思います。
そして、これまでは現状放置という状態になっていることが多かったのですが、ネット社会になり今回のような問題が逆にクローズアップされやすくなると売る側も危機を感じて早売りが少なくなる可能性もあるかもしれません。
そのように、入荷された本を発売日前に売り出すということに関しては今回の件で注目が高まったのを機により見直していく必要があるでしょう。
また、これは紙の媒体だけでなく電子書籍などネット上での情報についても同じように言えることであると思います。
ちなみに週刊少年ジャンプの電子書籍化については既に2014年からおこなわれているそうで懸賞に応募したりすることができないといった点以外は実際に発売されている紙の雑誌と変わらないそうです。
週刊少年ジャンプ電子書籍版の案内
しかし、出版不況と呼ばれ本が売れないと言われるなかでも、やはり実物で読みたいという方も大勢いますし電子書籍化できるからといって紙の媒体が完全に無くなるということは今後もないと思います。
紙の媒体というのは電子版に比べて一覧性の高さという点においてやはり読みやすさが違いますし、実物ならではの存在感やコレクションとしての意義を見出す方もいるでしょう。
ただ、今後紙の媒体よりネット上の媒体の方がメインとなるにしても大切なのは情報の取り扱い方という部分で、情報が不正に入手されたり公開されたりといったことは媒体の違いに関係なく様々な形で起こりうることです。
漫画雑誌ネタバレサイト転載事件から考える今後の運営方法
情報の取り扱い方という点について、ケースは異なりますが少し前に俳優・西田敏行さんの名誉毀損に関わる記事を掲載し続けたとしてサイトの運営者が書類送検されたという事件がありました。
扱う対象が人であれ物であれ発信するためのメディアを運営していくうえで情報の扱い方については色々と考えていく必要があるところですよね。
今回の雑誌転載事件に関して言えば原作者や販売者の利益を損なうという可能性がありました。
中にはネタバレを読むことによってより読みたいと購買意欲をかきたてることもあるかもしれませんが、一方でネタバレを読んで満足し買う人が減るというのも考えられるところだからです。
西田さんの件ではあらぬ噂を立てられたということで実際に仕事のオファーなどにも影響したといいますが、西田さんの件や雑誌転載の件はいずれにしても誰かの利益を侵害する危険という点において発信してはならない部分があるわけです。
西田さんの場合はデマのような情報が流され、漫画雑誌の場合はある意味正しい情報(実際の物を元にしているという意味において)が流されているわけですが、いずれにせよ情報を発信することがどういった結果につながるかという結果の部分が重要になってきます。
発信した結果がどうなるのかを考えてみる
もちろん、一般的な常識や道理に沿ってこれまで健全にサイトを運営してきたのであれば今後もそうした危険性は少ないですが人間どこかに悪い欲が出てしまうと、他にもやっているサイトがあるからといった理由で自分もやってしまう可能性がないとは言い切れません。
もし、仮にそう思った際は自身の行動がどういった結果を招く恐れがあるかということについて冷静に考えてみるようにしましょう。
自身のメディアを使って何かを発信していくというのは素晴らしく誰にでも同じように権利のあることですが、一方でそれが誰かの権利をおかすことにつながるようではその意義や価値は低いものになります。
自分の権利も他人の権利も大切にしながら発信していくということをぜひ心がけておきましょう。
ということで、今回は漫画雑誌ネタバレ転載の事件をとおして発信者としてのマインドや今後のサイト運営のあり方について考えてみました。
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